『永遠の研究』(2014)

美術館やギャラリー、大学などから推薦を受けたのち、審査、選出された若手作家の展覧会。室内の壁面を外側に反転させたように成り立った、アルコーブ状の構造を有した建築的作品。作品正面の映像には、睡眠を続ける男、水の中から遠い岸をみる視線、炎と、手から飛び立つ小鳥などのイメージなどが連なる。裏に回り込むと、別の建築的空間があり、そこではのぞき穴と、ループする文章による問いかけがロールエンドのように流され続けている。夢と永遠について考察をした作品。

2014年1月−2月
京都府美術工芸新鋭展 ~京都国際現代芸術祭2015への道~、京都文化博物館

アーティストトーク風景(2014)

パンフレット掲載作品紹介コメント

小さな空間の中で、幼児は居場所を見つける事があります。

アルコーヴという親密空間はそのような感覚を想い出させます。

 

同じく自身の夢の中で誰かが目覚めるような経験では、

私の夢がその誰かの居場所になり、自他の関係はここで反転します。

 

他者の場としての私の意識、あたかも曲がり角に、

あり得ないはずのアルコーブをみつけるような自他未分の奇妙な存在の居場所。

そのような誰のものでもない明滅する意識の永遠を思索します。

岡田彩希子

作品内でループする文章部分の転載
written by Akiko OKADA

A 私が眠りに落ちると、アナタが夢から目を覚ます。

B私は夢から目覚めた。辺りはまっ暗だ。
それはアナタが夜の中で眠っているから。

Cアナタが夢を見始めたので、私の周りは明るくなる。

Dやがてアナタは夢から覚めて、起きているアナタにこう言うだろう。
自分はさっきまで、夢を見ていた。
私が起きてくるところを。

A’私は夢を見た。私は夢から目覚めた。
夢の中で私は、花がひらいてくるのを見た。
その花は、沢山の花が集まったような花だった。

B’私は蕾からひらいた。
そこはまだ真っ暗だった。
アナタの意識が、まだ夜だったから。
A”私の意識が昼になって、私はアナタが、
夢から目覚めてくるのを見た。

 

B”真昼の輝きの中で、母が花を持ち立っている。
私は家の壁に、同じ花が咲いているのを見た。
私は今やその家の中で、
眠りに落ちていく。

アナタは夢から目を覚ます。

 

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